2020.05.11 | 関西観光本部 2020年度事業計画について ~激変したインバウンド環境下での2020年度の取り組み~ |
新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、観光セクターを取り巻く経済社会環境が激変しています。国連世界観光機関(UNWTO)の調査では、2020 年1月以降、ほぼ全ての世界のデスティネーションにおいて旅行の制限が課されており、4月 6日時点で全世界の国々の 96%がこのパンデミックへの対応として旅行制限を導入しています。我が国においても、全国に緊急事態宣言が発せられ、事業の継続、雇用の維持、生活の確保が現在の喫緊の課題となるなど、観光セクターはもとより、我が国の経済社会に甚大な影響を及ぼしています。
他方同時に、UNWTOは、「新型コロナウイルス感染症が世界の観光に与えるであろう影響の全容がどのようなものなのかはまだ分かりません。しかし、我々は今、観光セクターがより強く、より持続可能に復興するための準備をする一方で、同セクターを支援する必要があります。観光に対する復興計画・プログラムは、 雇用と経済成長につながるでしょう。」 と述べ、「今日への対応」と「明日への準備」を説いています。
当本部は、訪日外国人旅行客の関西全域での広域周遊観光の促進を目指して活動しており、先般、理事会において、次に紹介する今年度の事業計画が承認されましたが、今般の危機的状況を十二分に踏まえて、変化していく状況に迅速に対応し、事業の重点化を図ってまいります。皆様と一体となって、まずは、「明日への準備」に注力してまいります。
また、会員・構成団体の皆様からのインバウンドに関するご相談、お問い合わせ等にも対応しつつ、当本部の持つ内外のネットワークを最大限活用し、インバウンドに関する各国の現地情報等役立てていただける情報を当本部のウェブサイトで提供する準備を進めています。今後、変化していく状況把握の参考としていただけるよう速やかに実施してまいります。
新型コロナウイルスによるインバウンド減を早期に回復するため、事態の収束の後、速やかに、関係機関、地域及び事業者などが強力に連携して、関西が一丸となった海外に対する集中キャンペーンを実施
・政府の緊急対策と連動し、政府機関と一体となったプロモーションの実施
・海外でのプロモーションイベントや商談会の前倒しあるいは特別実施
・空港会社やエアラインなどと連携したファムトリップ及びメディアツアーの積極的な呼びかけ
・リアル・デジタルの双方の長所を生かした戦略的プロモーションの実施
(1)「プラスワントリップ事業」の本格実施
関西における広域観光・周遊の実現のため地域連携による広域周遊ルートづくりを推進。統一ブランド(”The Exciting KANSAI”)の下、新しいロゴを用いて、統一感と訴求力のある事業として推進
・地域特性を踏まえた広域周遊ルートを呼びかけ(地理的ルート)、観光地づくりのサポート
・形成が進んだルートは、本部と地域が一体となって継続的なプロモーションの実施
・SITに焦点を当て、外国人が求めるテーマ毎の連携を推進(テーマのルート)
(例:スポーツ、祭、城、文化・歴史、ガストロノミー、アニメなど)
・海外の高級・ポピュラー旅行誌、海外コンサル等外国人専門家の活用による外国人に訴求するコンテンツ・テーマづくり
・関西コネクションリーダー事業の本格実施
(2)重点的・継続的プロモーションと訴求力の強化
リアル、デジタルのプロモーションを連動させ、PDCAを取り入れ、関西の広域観光・周遊ルートを訴求
〇リアルプロモーション
・海外の高級・ポピュラー旅行誌等の活用による”The Exciting KANSAI”の訴求
・空港会社、エアライン等との連携による海外イベント、ファムトリップ、メディアツアー
・当本部主催の商談会の充実・強化(台湾等の国別・地域別、ランオペ等の事業者向等)
・ドバイ万博における関西プロモーション、欧米豪、東南アジアの旅行博出展等
〇デジタルプロモーション
・訪関西を一層誘引する動画の制作
・外国人に直接訴求するツールである”The KANSAI Guide”への外国人活用の強化、広域観光・周遊ルート形成を踏まえたOTA導入、広告メディアとしての機能の強化
・オウンドメディアに蓄積されたデータの分析と会員を含めた関係者への提供
東京オリ・パラ、WMGを大阪・関西万博を見据えた広域観光・周遊実現のためのステップと捉え、”The Exciting KANSAI”に焦点を当てたプロモーションを実施
〇東京オリ・パラの開催時期を見据え、東京オリ・パラ参加者、観戦者、外国メディア等を対象にした”The Exciting KANSAI”のプロモーションを準備(オリ・パラ会場、ファムトリップ等)
〇WMG開催地のネットワーク形成による関西全域の観光情報の提供、”The Exciting KANSAI”の訴求
2021年度を目標年度とする「グランドデザイン」の見直しに着手(地域、関係事業者等の検討への参画)。あわせて、WMG開催後のレガシー作りをインバウンドの観点から検討
〇マーケティング基礎的データの収集・分析・提供
〇「KANSAI ONE PASS」、「KANSAI Wi-Fi」の運営
○通訳案内士研修の実施(コンシェルジュ研修等の研修事業の拡大を検討)
〇フリーペーパー「KANSAI OFFICIAL TOURIST GUIDE」のコンテンツの充実
〇関西全体の文化振興及び広域周遊の推進(関西文化の日、関西元気文化圏賞)
〇構成団体、会員等とのパートナーシップの強化