関西観光本部では、9月22日に第二回有識者会議を開催しました。第一回会議でご議論いただいた、関西のインバウンド観光が目指すべき基本的課題(①「Kansai」が世界のデスティネーションになるために ②「インバウンド観光」を関西経済の柱に育てるために)について、さらに深くかつ具体的なご意見を頂戴しました。
これまで二回にわたる会議で頂戴した有識者のご意見を「ご提言」として踏まえつつ、今後、関西の関係者の皆様に広くご意見を頂戴し、新たなグランドデザインの策定を進めてまいります。
(主なご意見)
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- 関西だからこそというところを、さらにシャープに表現する。
- 「KANSAIをグローバルなデスティネーションへ」という点で、それに向けたアクションの成果、「KANSAI」がどこまで認知されたのか、という点を成果指標にすべき。
- 「ONE関西」で取り組むことの意義(企画力の向上や生産性アップなど)をより伝えていく必要がある。
- 「ONE関西」というアイデアは内側の原動力として持つことは意味があるが、外への訴求として、関西のポテンシャルを具現化することにはならない。土台について更に検討が必要ではないか。
- 各主体に対して、共通の認識や情報を提供するのが、関西観光本部や「ONE関西」の存在価値なのではないか。「関西観光本部が、各層のDMOの旗を振って具体的にどう行動していけばよいか誘導する。そのためのプログラムを組んでいく。各地域がやるべきことをやれば地域が活性化する。」等、そこまで踏み込まないと具体的な組織論はできない。
- 実施体制の役割分担を確立することの重要性、また「ONE関西」で取り組むことの重要性の認識を浸透させていくために、自治体トップ等の認識の深化、さらに実務レベルの推進体制強化、役割体制の確立を図って欲しい。
- パリと言えば凱旋門やエッフェル塔が挙げられるが、京都、大阪、奈良であればどのようなシンボリックで訴求力のあるアクションができるか。多角的にプランを立てて進めていくことが必要。
- 地域やDMO等各主体が各自で取り組んでいること、「ONE関西」として取り組むことを整理していくべき。
- 他の地域になくて関西にしかないのは日本の文化、歴史の重み。関西は、日本の原点・中心だということを、他の地域との違いでアピールすること。
- 関西は、多様であることが面白い、ポートフォリオで考えるということではないか。それぞれの地域のとがった強み、エッジを磨いた集まりであるダイバーシティ、いろんなものがある面白さが関西の売りである。そういった見せ方やコンセプトを出していくべき。
- たくさんのイベントがあるから良いのではなく、顧客にささるイベントがあるならばPRに繋げる。結果的に選ばれないものも出てくるだろうが、「ONE関西」のためにはそういう点も皆が理解しなければいけない。人が来れば地域が持続的に活性化していくということについて、皆が共通理解を持たなければいけない。
- 「KANSAI」というブランド名を広げることはトップダウンで決められるが、具体的な観光プロジェクトになると官民が参画することになる。具体的な各主体を入れること。
- 景観を意識した観光資源の保全についてのメッセージが必要。
- DX,GXという変化とコロナ前の反省点を含めてどういう風に変わっていくのか、あるいはどういう風に変わっていけば良いのかを検討すること。
- 他地域との差別化ということでは、万博との関係づけを考えていくべき。万博のテーマはSDGs、持続可能な社会をどう作っていくかということであるが、SDGsの根幹にあるコンセプトはダイバーシティであり、包摂性である。関西は様々な楽しみがあるダイバーシティであり、包摂的なエリアであるというメッセージを、万博と絡めて出していく。
- 関西の歴史や文化に精通している方達を、地域づくりに入れていったらどうか。ストーリーづくりには多くの方の知見を借りて、関西ならではの文化や魅力をストーリーの中に活かしていくこと。
- 「関西文化の日」を認知させるところから「ONE関西」の力をアピールしたらどうか。今は美術館・博物館だけだが、飲食店や交通機関、関西のネットショップ、ホテルの予約サイト、さらにはふるさと納税のサイトなど、様々な所が「関西文化の日」に参画したら、一気に「ONE関西」のイメージは発信できるのではないか。
- 関西の観光地の近接性の観点から、「時間の地図」をアピールしたら良いのではないか。
- 直行便は観光に重要だが、首都圏は、空港制約で伸びていない。関空・伊丹・神戸の3空港を最大限に活用して関西への直行便を増やし、アクセスの優位性を築いていくというのも、是非進めていただきたい。