2022.04.01 | 2025大阪・関西万博に向けた広域観光促進のための 「関西ツーリズムグランドデザイン2025」を策定しました ~ “The Origin of Japan, KANSAI”を世界に~ |
1.本デザインの概要
〇本デザインは、大阪・関西万博が開催される2025年を目標年次として、関西の広域観光を促進するための基本的な考え方・戦略・アクションを示すものです。
〇本デザインの策定にあたり、関西の外の眼で、国際的な視点、日本全体の視点、観光の潮流の把握等、多角的な観点から関西観光を捉え直すため、7名の有識者
の方々による「有識者会議」を開催し、「関西のインバウンド観光に関する提言」としてとりまとめていただきました。それを元に、関西2府8県の行政、地域、
民間、学識経験者等に広くお集まりいただき「策定会議」を開催し、その議論を経て、とりまとめたものです。
〇関西が持てる力を最大限発揮するため、「ONE関西」の考え方で、目指す姿の実現に向けて取り組む基本的な考え方が示されています。
2.本デザインのポイント
○関西のインバウンド観光の目指す姿とその目的
「グローバル・ツーリズム・デスティネーション“KANSAI”」
関西一円に海外旅行者が訪れ、地域が潤う姿。すなわち、世界の人々に旅行の目的地として選ばれ、関西観光の価値が共感される「グローバル・ツーリズム・
デスティネーション」となることを目指します。その目的は、「地域の豊かな暮らしへの貢献」であり「関西経済への貢献」です。特に、インバウンド観光の
経済効果に焦点を当て、関西での宿泊日数増を目指す「プラスワンナイト」を目標に掲げ、2025年の旅行消費額を2019年(約1.2兆円)の1.5倍(約1.8兆円)
とすることを目指します。
〇「目指す姿」の実現に向け、以下の4つの「アクション」に基づいて、2025年までの期間において、関西が持てる力を最大限に発揮するために、行政、地域、
企業等の各主体が、本デザインの下、自発的かつ重層的に結びつく連携協働体制「ONE関西」の下、関西一丸となって挑戦してまいります。
関西は、日本の原点につながる歴史・伝統・文化、そしてこれらと溶け合った自然、国際都市・多彩な都市・地域、様々な産業、暮らしやすい生活文化と親しみやすい気質の人々等の特徴があり、これらが重なり合って魅力を形成しています。この魅力をわかりやすく発信することにより、広域観光圏“KANSAI”の認知度を高め、訪関西機運醸成を図ります。大阪・関西万博が世界に発信されていく好機を最大限活用し、これと連動した関西観光の訴求を図ってまいります。
(コアコンセプト)
『歴史・伝統・文化、そして未来に向けて多様に花開く日本の原点、関西』
(キャッチコピー)
“The Origin of Japan, KANSAI”
(地域を磨く)
観光地の景観や観光資源を適切に保全しつつ、「スモールマス&ストーリーマーケティング(※)」に基づき、旅行者に共感され、上質な観光地づくりを推進します。その際、地域と観光が持続的に発展することを目指し、長期的な視野に立って観光地づくりを進めます。
(※)スモールマスマーケット:マス(多数)ではないが、一定の市場規模が見込める消費者の層や集団(スポーツ愛家家、歴史愛好家 等)
ストーリーマーケティング:商品をストーリーとともに消費者に訴求し、共感してもらい、その行動を促すマーケティング手法
(地域をつなぐ)
広域観光圏“KANSAI”を構築するため、観光地づくりを進める地域をストーリーでつなぐ広域観光ルートづくりを推進します。また、拠点地域である大阪・京都等は、ゲートウェイ都市として、その機能・魅力を一層高めます。これら広域観光ルートと拠点地域を効果的につなぐことにより、関西一円に海外旅行者が訪れ、地域が賑わい潤う姿の実現を目指します。
広域観光圏“KANSAI”の構築のため、広域観光ルートとともに、魅力あるテーマツーリズムを提案します。そのため、関西の多彩で豊富な観光資源をスモールマスマーケット&ストーリーマーケティングの考え方で発掘・再構成し、テーマツーリズムのラインアップを強化します。
特に、歴史・伝統・文化の宝庫である関西の強みを最大限活かした「文化観光」や「食」のツーリズム化、今日の観光トレンドである「体験型ツーリズム」、更に、関西の「海」のツーリズムを創出に取り組むなど、関西ならではの「特別な体験」、「本物・唯一無二」等への関心の高さを踏まえた付加価値の高いツーリズムの創出を進めます。
新たな観光コンテンツ・価値を生み出し、観光サービスの変革と新たな観光需要を創出するため、関西の観光データの収集・分析を進めるとともに、関西MaaSの構築に向けた動き等を支援するなど、デジタル技術を複合的に活用した観光DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進します。
また万博のテーマとの連動も視野に、SDGs、GX等の社会経済の変化のトレンドを取り入れ、観光のパラダイムシフトに的確に対応するとともに、観光インフラの基盤強化を引き続き進めます。
以上の取り組みを各主体が自発的かつ重層的に結び付く連携協働体制「ONE関西」で大阪・関西万博に向けて一丸となって挑戦していきます。そのための推進体制の構築と推進基盤の強化を図り、計画的かつ着実な取り組みを推進していきます。
3.策定会議メンバー
<民間>
遠北 光彦 関西鉄道協会 会長/南海電気鉄道株式会社 代表取締役社長兼CEO
岡本 厚 一般社団法人日本旅館協会関西支部連合会 会長
/株式会社伏尾の鮎茶屋 不死王閣 代表取締役社長
隂山 秀一 一般社団法人日本ホテル協会大阪兵庫支部 支部長
/株式会社ロイヤルホテル 代表取締役社長
北村 豪 一般社団法人日本旅行業協会関西支部 支部長
/株式会社JTB執行役員西日本エリア広域代表
塩川 耕士 近畿バス団体協議会 会長/近鉄バス株式会社 取締役社長
髙山 俊三 近畿百貨店協会 会長/株式会社高島屋 常務取締役
福島 純 西日本旅客鉄道株式会社 理事 鉄道本部営業本部長
福島 伸一 株式会社大阪国際会議場 取締役社長
山谷 佳之 関西エアポート株式会社 代表取締役社長
<行政>
淵江 淳 総務省近畿総合通信局 局長
松代佳津美 外務省大阪分室 室長
門田 正雄 国税庁大阪国税局 酒類監理官
髙田 行紀 文化庁地域文化創生本部 事務局長
大坪 正人 農林水産省近畿農政局 局長
伊吹 英明 経済産業省近畿経済産業局 局長
金井 昭彦 国土交通省近畿運輸局 局長
東川 直正 国土交通省近畿地方整備局 局長
関根 達郎 環境省近畿地方環境事務所 所長
野口 礼子 関西広域連合 広域観光・文化・スポーツ振興局 局長
<有識者>
鈴木 宏子 国連世界観光機関(UNWTO)駐日事務所 副代表
高橋 一夫 近畿大学経営学部 教授
八島 雄士 和歌山大学観光学部 教授
<地域>
川戸 良幸 公益社団法人びわこビジターズビューロー 会長
田中 誠二 公益社団法人京都府観光連盟 会長/公益社団法人京都市観光協会 会長
溝畑 宏 公益財団法人大阪観光局 理事長
高士 薫 公益社団法人ひょうご観光本部 理事長
荒井 正吾 一般財団法人奈良県ビジターズビューロー 理事長
寺本 雅哉 公益社団法人和歌山県観光連盟 会長
小谷 文夫 公益社団法人鳥取県観光連盟 会長
矢田 博嗣 一般財団法人徳島県観光協会 理事長
山田 義彦 公益社団法人福井県観光連盟 会長
竹谷 賢一 公益社団法人三重県観光連盟 会長
村田 純一 公益財団法人京都文化交流コンベンションビューロー 理事長
隈元 英輔 公益社団法人堺観光コンベンション協会 会長
尾山 基 一般財団法人神戸観光局 会長
<オブザーバー>
小林 安宏 公益社団法人日本観光振興協会関西支部 事務局長
堺井 啓公 公益社団法人2025年日本国際博覧会協会 広報戦略局長
<関西観光本部>
松本 正義 理事長/公益社団法人関西経済連合会 会長/住友電気工業株式会社 取締役会長
仁坂 吉伸 副理事長/関西広域連合 広域連合長/和歌山県知事
西脇 隆俊 副理事長/関西広域連合 副広域連合長(広域観光・文化・スポーツ振興担当)
/京都府知事
角 和夫 副理事長/公益社団法人関西経済連合会 副会長/阪急電鉄株式会社 代表取締役会長
4.有識者会議メンバー
伊藤 元重 経済学者/東京大学名誉教授/学習院大学国際社会科学部教授
ロバート キャンベル 早稲田大学特命教授/早稲田大学国際文学館顧問/東京大学名誉教授
小山 薫堂 放送作家、脚本家/京都芸術大学副学長
/大阪・関西万博テーマ事業プロデューサー
清水 哲夫 東京都立大学都市環境学部教授
伊達美和子 森トラスト株式会社 代表取締役社長
/森トラスト・ホテルズ&リゾーツ株式会社 代表取締役社長
野田由美子 ヴェオリア・ジャパン株式会社 代表取締役会長
座 長
本保 芳明 国連世界観光機関(UNWTO)駐日事務所 代表
以上 敬称略