“Go Toトラベル Enjoy関西キャンペーン” 特設サイトの開設

1.概要
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、国内外の観光は大変厳しい環境にあります。関西の観光の状況も厳しい中、防疫対策を実施しながら、旅行需要を喚起していくことが必要です。
関西観光本部では、関西の旅行需要の回復に向けて、政府が実施するGo To トラベルキャンペーン、関西の府県市が独自に実施しているキャンペーンを一覧できる特設サイト“Go Toトラベル Enjoy関西キャンペーン”を9月1日より開設いたしました(http://kansaiguide.jp/rt/goto)。このサイトでは、当本部の会員企業が実施しているキャンペーンも「追加お得情報」として、ご案内しています。
今後も引き続き、ホットな情報の提供や、内容の充実を図り、関西のお得情報を継続的に発信するとともに、安全・安心な旅行に役立てていただけるよう関係事業者の防疫対策などの情報も充実させて参ります。

2.特設サイト“Go Toトラベル Enjoy関西キャンペーン” 開設日
2020年9月1日(火曜) 午前9時

3.御問い合わせ先
(一財)関西観光本部
デジタルマーケティング室長 桑原
経営管理部 コミュニケーショングループ長 中林
℡ 06-6223-7203
✉ kuwahara-munehisa@kansai.or.jp
✉ nakabayashi-takashi@kansai.or.jp

~第18回「関西文化の日」の実施について~

・令和2年11月14日(土)、15日(日)を中心とする11月に実施!
・参加登録された関西一円の美術館・博物館・資料館等の文化施設が入館無料!
・参加施設の募集中!

「関西文化の日」とは、関西が誇る長い歴史に培われた豊かな文化資源に気軽に接する機会を提供することにより、美術・学術愛好者の増大を図る事業です。関西圏域内の美術館・博物館・資料館など文化施設のご協力により、その入館料(原則として常設展)を無料とします。また、開館時間を通常より延長し、新たな魅力を発信する取組として「KANSAI NIGHT MUSEUM」を計画しています。
事業概要は下記のとおりで参加施設の募集を現在行っていますので、お知らせします。

1 対象施設:趣旨に賛同し、参加登録いただいた関西2府8県4政令市内の美術館・博物館・資料館などの文化施設(通年にわたって入館無料の施設も、参加対象とします。)

2 対象地域:福井県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、徳島県、京都市、大阪市、堺市、神戸市

3 事業内容:各文化施設に「関西文化の日」への参加を呼び掛けるとともに、参加施設(原則として常設展の入館料を無料とする。)の情報を整理し、幅広く提供します。また、開館時間を通常より延長する日を設ける施設の情報を、KANSAI NIGHT MUSEUMとして、幅広く提供します。
※企画展や特別展等の入場料の取り扱いについては、各施設の判断によります。

4 実 施 日:令和2年11月14日(土)、15日(日)の2日間を中心とする11月中に実施(参加施設の都合に応じて11月中で実施日を設定)

5 参加募集:9月15日(火)まで、参加施設を募集します。
※参加登録は、インターネット(http://www.kansaibunka.com/)で受け付けています。なお、KANSAI NIGHT MUSEUMはメール又はFAXにて参加申込となります。参加お申込ご希望の方は関西文化の日事務局までお問合せください。
TEL:06-4964-8844(平日:10:00~17:00)

6 広  報:「関西文化の日」の実施は、ポスター、チラシを制作し、参加文化施設等のほか、駅や観光案内所等で掲出、配架を行います。
また、ホームページ「関西文化.com」で参加施設の情報を随時公開します。

7 主  催:関西広域連合、関西観光本部、関西元気文化圏推進協議会

【お問合せ先】関西文化の日事務局
 TEL:06-4964-8844(平日:10:00~17:00)

 

【終了しました】通訳案内士スキルアップ研修を実施します

【予定通り開催し、終了しました】

関西観光本部では、関西広域連合からの依頼を受け、関西の観光資源や日本文化等の様々な魅力に関し、質の高いガイドサービスが提供できるよう「通訳案内士スキルアップ研修」を2020年8月26日(水)~27日(木)の2日間、JR大阪駅前のグランフロント大阪北館B2F・コングレコンベンションセンターにて開催いたします。

時節柄感染症対策に十分配慮した対応をおこない開催いたします。
また、オプションとして10月頃に実地研修を行う予定です。

詳細は以下のURLをご参照ください。
https://kansai.or.jp/infomation/tsuyaku2020.html

”Dream online企画”をスタートします ~世界の方々に関西周遊旅行を選んでいただくために~ V字回復に向けた機運を醸成するデジタルプロモーションを開始します。

コロナウィルス感染症により、足元では、国際的な人の移動が厳しく制限されております。各国は、状況の改善に応じて、段階的な緩和を行っておりますが、長引く制限下において、世界中で旅行への潜在需要が高まっていると言われております。
そのため、このような期間中、来るべきインバウンド再開の際に、世界の方々に関西周遊旅行を選んでいただけるよう、自宅に居ながら関西の多彩な観光資源の魅力を4K動画で楽しんでもらうデジタルプロモーション”Dream  online企画”を7月1日から開始しました。

<メッセージ動画3 種>
①バックストーリー篇    The real Japan, KANSAI [ 4K ] 本編 3 分07 秒
https://youtu.be/bqfDfDQvOfw
The real Japan, KANSAI [ 4K ] short version 38 秒
https://youtu.be/g6oKiSoN33Y

②ポジティブメッセージ篇  The Dream region, KANSAI Japan [ 4K ] 34 秒
https://youtu.be/Onrb1x2MXsk

③ディスカバー篇      Travel is a pilgrimage, KANSAI Japan [ 4K ] 37 秒
https://youtu.be/8zqpMUm19dI

この動画は、関西のインバウンド・プロモーションに関係する方々に広く無料で利用していただけます。その他詳細につきましては、プレスリリースをご覧ください。

関西観光本部 2020年度事業計画について ~激変したインバウンド環境下での2020年度の取り組み~

新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、観光セクターを取り巻く経済社会環境が激変しています。国連世界観光機関(UNWTO)の調査では、2020 年1月以降、ほぼ全ての世界のデスティネーションにおいて旅行の制限が課されており、4月 6日時点で全世界の国々の 96%がこのパンデミックへの対応として旅行制限を導入しています。我が国においても、全国に緊急事態宣言が発せられ、事業の継続、雇用の維持、生活の確保が現在の喫緊の課題となるなど、観光セクターはもとより、我が国の経済社会に甚大な影響を及ぼしています。
他方同時に、UNWTOは、「新型コロナウイルス感染症が世界の観光に与えるであろう影響の全容がどのようなものなのかはまだ分かりません。しかし、我々は今、観光セクターがより強く、より持続可能に復興するための準備をする一方で、同セクターを支援する必要があります。観光に対する復興計画・プログラムは、 雇用と経済成長につながるでしょう。」 と述べ、「今日への対応」と「明日への準備」を説いています。
当本部は、訪日外国人旅行客の関西全域での広域周遊観光の促進を目指して活動しており、先般、理事会において、次に紹介する今年度の事業計画が承認されましたが、今般の危機的状況を十二分に踏まえて、変化していく状況に迅速に対応し、事業の重点化を図ってまいります。皆様と一体となって、まずは、「明日への準備」に注力してまいります。
また、会員・構成団体の皆様からのインバウンドに関するご相談、お問い合わせ等にも対応しつつ、当本部の持つ内外のネットワークを最大限活用し、インバウンドに関する各国の現地情報等役立てていただける情報を当本部のウェブサイトで提供する準備を進めています。今後、変化していく状況把握の参考としていただけるよう速やかに実施してまいります。

1.インバウンドV字回復キャンペーンの実施

新型コロナウイルスによるインバウンド減を早期に回復するため、事態の収束の後、速やかに、関係機関、地域及び事業者などが強力に連携して、関西が一丸となった海外に対する集中キャンペーンを実施
・政府の緊急対策と連動し、政府機関と一体となったプロモーションの実施
・海外でのプロモーションイベントや商談会の前倒しあるいは特別実施
・空港会社やエアラインなどと連携したファムトリップ及びメディアツアーの積極的な呼びかけ
・リアル・デジタルの双方の長所を生かした戦略的プロモーションの実施

2.広域観光・周遊の推進

(1)「プラスワントリップ事業」の本格実施
関西における広域観光・周遊の実現のため地域連携による広域周遊ルートづくりを推進。統一ブランド(”The Exciting KANSAI”)の下、新しいロゴを用いて、統一感と訴求力のある事業として推進
・地域特性を踏まえた広域周遊ルートを呼びかけ(地理的ルート)、観光地づくりのサポート
・形成が進んだルートは、本部と地域が一体となって継続的なプロモーションの実施
・SITに焦点を当て、外国人が求めるテーマ毎の連携を推進(テーマのルート)
(例:スポーツ、祭、城、文化・歴史、ガストロノミー、アニメなど)

・海外の高級・ポピュラー旅行誌、海外コンサル等外国人専門家の活用による外国人に訴求するコンテンツ・テーマづくり
・関西コネクションリーダー事業の本格実施
(2)重点的・継続的プロモーションと訴求力の強化
リアル、デジタルのプロモーションを連動させ、PDCAを取り入れ、関西の広域観光・周遊ルートを訴求
〇リアルプロモーション
・海外の高級・ポピュラー旅行誌等の活用による”The Exciting KANSAI”の訴求
・空港会社、エアライン等との連携による海外イベント、ファムトリップ、メディアツアー
・当本部主催の商談会の充実・強化(台湾等の国別・地域別、ランオペ等の事業者向等)
・ドバイ万博における関西プロモーション、欧米豪、東南アジアの旅行博出展等
〇デジタルプロモーション
・訪関西を一層誘引する動画の制作
・外国人に直接訴求するツールである”The KANSAI Guide”への外国人活用の強化、広域観光・周遊ルート形成を踏まえたOTA導入、広告メディアとしての機能の強化
・オウンドメディアに蓄積されたデータの分析と会員を含めた関係者への提供

3.2025年大阪・関西万博開催等を見据えた広域観光・周遊の訴求

東京オリ・パラ、WMGを大阪・関西万博を見据えた広域観光・周遊実現のためのステップと捉え、”The Exciting KANSAI”に焦点を当てたプロモーションを実施
〇東京オリ・パラの開催時期を見据え、東京オリ・パラ参加者、観戦者、外国メディア等を対象にした”The Exciting KANSAI”のプロモーションを準備(オリ・パラ会場、ファムトリップ等)
〇WMG開催地のネットワーク形成による関西全域の観光情報の提供、”The Exciting KANSAI”の訴求

4.次期グランドデザインの検討に着手

2021年度を目標年度とする「グランドデザイン」の見直しに着手(地域、関係事業者等の検討への参画)。あわせて、WMG開催後のレガシー作りをインバウンドの観点から検討

5.継続事業

〇マーケティング基礎的データの収集・分析・提供
〇「KANSAI ONE PASS」、「KANSAI Wi-Fi」の運営
○通訳案内士研修の実施(コンシェルジュ研修等の研修事業の拡大を検討)
〇フリーペーパー「KANSAI OFFICIAL TOURIST GUIDE」のコンテンツの充実
〇関西全体の文化振興及び広域周遊の推進(関西文化の日、関西元気文化圏賞)
〇構成団体、会員等とのパートナーシップの強化

動画でなるほど便利!KANSAI多言語コールセンターのご案内【2020年3月31日をもって本事業は終了しました。】

関西観光本部では、宿泊施設や土産物店など観光関係施設のスタッフの方が気軽に通訳サービスを利用できるよう「KANSAI多言語コールセンター」を運用しています。
当コールセンターは音声自動翻訳システム「VoiceTra」を活用した通訳サービスで、利用料や事前登録は不要、通話料のみでご利用いただだけます。

「自動翻訳って正しく訳せるの?」
「いざというとき、ちゃんと使えるのかな?」
といったご懸念に応えるため、このたび利用方法をご紹介する動画マニュアルを作成しました。

動画マニュアルもご参照の上、是非お気軽にお試しください。

※自動翻訳がうまくいかなかった場合は、有人オペレーターによるサポートを受けられます。

利用方法などについてのお問合せ
担当 KANSAI多言語コールセンター 事務局
(株)ブリックス:高谷(たかや)、若色(わかいろ)
住所 〒160-0022 東京都新宿区新宿四丁目3-17
連絡先 TEL:03-5366-6018 内線番号344,347
FAX:03-5366-6002
E-mail:h-takaya@bricks-corp.com
営業時間 平日 9:00~18:00


利用マニュアル付チラシ PDFダウンロードPDF

「外国語話せます!関西おもてなしバッジ」の配布について【2020年3月31日をもって、本事業は終了しました。】

外国人旅行客の方が街なかでちょっとした言葉の壁でお困りの際、その方が話す言語を理解しサポートできる人を一目で見分けることができれば、安心感と満足度を大きく高められます。

当本部では、言葉の壁でお困りの外国人旅行客をサポートするためのコミュニケーションツール「外国語話せます!関西おもてなしバッジ」を無料で配布しています。

資格を持つ通訳者でなくても、サポートしたい気持ちがあればどなたでもお申込みいただけます。
気軽にボランティアできるこのバッジを使って、関西の街なかで、外国人旅行客のサポートをしてみませんか。
皆様からのお申し込みをお待ちしています。

バッジの仕様
種類 英語・中国語・韓国語・フランス語・スペイン語・タイ語・イタリア語・ロシア語・インドネシア語・ベトナム語
+無地(言語表記無し)の11種類(無地タイプはご自身で会話可能な言語を記入)
仕様 タテ44㎜×ヨコ70㎜のクリップタイプ 長方形缶バッジ

 

お問い合わせ
担当者 一般財団法人関西観光本部 総合企画室
連絡先 TEL:06-6223-5400 FAX:06-6223-7205
E-mail:badge@kansai.or.jp
営業時間 平日 9:30~17:30


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【3/11開催中止分】「ボランティアガイド講習」講師からのメッセージ

関西観光本部では、今後通訳案内士を目指す皆さん、観光ボランティアガイドや語学ボランティアガイドを目指す皆さんを対象とした、「ボランティアガイド講習」を2020年3月11日に開催する予定にしておりましたが、今般の新型コロナウイルス感染拡大防止のため、中止といたしました。講師を務めていただく予定でした、株式会社ランデルズのランデル洋子代表取締役に取材に伺いましたので、皆様に公開いたします。

 

ランデル洋子さん「観光ボランティアガイドのための成功ポイント」

【はじめに】

観光ボランティアの方々、またそれを目指されている方々に、まず初めにどのような意義があり、何を目的として活動されるかについて、明確にしていただきたいポイントを述べたいと思います。

ボランティアというのは、「できるときに、できるだけ」行うということが基本となります。と同時に、やるからには「迷惑をかけない」「自分ができる裁量以上のことはしない」など自分でマインドをセットできるようにならなければならないと思ってきました。私自身学生時代からボランティアはしてきたのですが、その中で常に思ってきたことは、ボランティアは「自分のため」でもあり、「社会貢献」でもあり、そしてなにより「楽しみ」でなければならないということです。それは他人の役に立つ、素晴らしい活躍の場であるということの自覚であったと思います。また、海外から来られた方々に、「日本の良さを分かってもらい、もう一度日本に来たい」と思っていただけるようにしたいという気持ちです。

このことは、国家試験に合格した全国通訳案内士や、指定の研修を修了した地域通訳案内士が職業としてお客様に同行し広範囲でガイドできるのに対して、語学ボランティアガイドは街中観光案内や指定場所の案内といった限られた動きの中でお客様をサポートするという違いはあるものの、基本的なガイドでのマインドは同じといえます。

 

【ボランティアガイドの基本マナーについて】

まず強調しておきたいことは、いかにボランティアという立場であっても、「責任感を持って臨む」ということです。何故観光ボランティアが望まれているのかを考えますと、人材という面でそのイベントや地域発展のために是非とも成功させたいと思って要請されているわけですから、引き受けた業務は滞りなくこなす責任感がなくてはなりません。すでにこれまで多くの崇高なボランティア精神を発揮して活動されてきた方々がおられますので、その人たちの「ボランティアのプロ」の活躍をさらに押し上げるような「責任感」でお願いしたいものです。「私たちは黒子」という、縁の下の力持ち的な立場をプロ意識で発揮していただきたい。

また、観光ボランティアは相手のある活動です。お客様となるのは海外からの、あまり日本を詳しく知っている方々ではないわけですから、様々な心理的な要望があります。例えば〈情報が欲しい〉〈サポートが欲しい〉〈楽しみたい〉〈安全を確保したい〉〈地元の方と交流したい〉〈日本のことを、日本人を知りたい〉などなど様々な期待と希望・要望があります。ガイドするには、そのお客様が何を望んでおられるか、何に困っておられるか、といった気持ちに寄り添うものでなければなりません。それが「お客様の気持ち第一優先」のホスピタリティだと思います。そのために必要な能力は「察知力」です。案内しながら気づくということもあるでしょう。お客様から言われることもあるでしょう。言葉に出せないが、なんとなく観光を楽しんでいなさそうな雰囲気の時もあるでしょう。それに気づくことがとても重要です。察知する人間力が問われるという場面です。そこでリーダーシップがとれるか、優しさを発揮できるかが、観光ボランティアの腕にかかっているといえます。

しかし、何事もやり過ぎはいただけません。お客様のためを思ってのことであっても「押し付けがましいことは避ける」べきです。例えば、ガイドをしてやっているという恩着せがましい気持ちが知らず知らずのうちに上から目線の言動になってしまっているとか、私はここまで知っていると見せつける印象になってしまうとか、ガイドの側の自己満足で終るようなことはしないことです。特に、喋り過ぎがネック。知識があってどうしてもしゃべりたくなるという方は、まずお客様の気持ちに寄り添うことに留意してもらいたいものです。

ボランティアガイドの中には「自分のためだけに参加している」ような方を見受けることがあります。その案内がお客様のためになっているのか、主催者の役に立っているのか、地域貢献できているのか、という点などを再度点検しながら自己満足で終らないガイドであってほしいと思います。 また、年齢、性別、国籍、立場によって柔軟な対応は必要ですが、案内の態度がガラリと変えるようなことはないようにするのが大切な心構えです。

同時に、「実力以上の作業は引き受けない」という基本姿勢も重要になってきます。できないことまでやろうとするとお客様は被害者になります。時間も、難易度も、それから資金面でも。ボランティアは的確に自分のキャパシティを判断しなくてはなりません。

そして笑顔を絶やさないことも重要なポイントです。服装もきちんとし(ユニフォームがある場合などでも)ちゃんと外観を整えることがお客様の印象にもつながりますから、気遣いをしましょう。

基本マナーでいつも原点に立ち返ってチェックすべきことは、まず「安全」第一であること、次に「快適」であること、そして「楽しさ」があることです。特に「安全」に留意することは、お客様と接している以上、最も重要です。つねにチェックしてください。「快適」というのは、お客様の様子をよくよく観察し、物理的にそして精神的にも満足して頂いているかどうかを思いやることです。例えば口には出して言えないでいるけれど、不快に感じられていることがないかを配慮してお客様にとって快適な時間を創り出すもてなしが必要です。そして最後にお客様が「楽しんでいる」ことを感じられるようにしたいものです。「安全・快適・楽しさ」はお客様に接している時の立ち返る原点です。

 

【英語表現について】

お客様との会話では、なによりも「わかりやすい英語表現」であることが肝要。短文で、コンパクトに伝えること。固有名詞などは聴き取りにくいこともありますので、通常の150%ぐらいゆっくりと話すことが必要です。どのような場合でも初めて聞く言葉は分かりにくいものです。

お客様に敬意を持ち、お客様からも敬意を持って聞いてもらえるためにも、「品のない言葉は避ける」ことも注意したいですね。最初からそうする人は少ないでしょうが、少し慣れてくるとつい〈wanna、gonna、yeah、booze、guys、など〉くだけた言葉を発しがちになる場合もありますが、これも避けたいものです。

また、よく使われる〈please〉は、やんわりと聞こえる命令文であることもお忘れなく。丁寧に話しているつもりでも、度重なるとお客様は気持ちよくないかもしれません。疑問文にして促すなど、より的確な表現法があり得ますから研究してみてください。〈must、should、had better〉などは案外強いニュアンスで伝わってしまうので注意が必要です。できるだけおもてなしのこころで英語表現をしていただきたいものです。

かといって、日本人同士のような以心伝心といったあいまいな表現もわかりにくいだけとなります。客観的に、ストレートに伝える必要があります。同時に、日本的な謙遜はかえって意図に反する伝達となる場合があります。日本語で「すみません」と頻発するままに〈sorry〉と言ってはならないことも、その例であろうと思われます。

こうした英語表現やおもてなしの仕方などはよい手本となる先輩を見つけて、学ぶことがよいでしょうし、なによりも場数を踏むということ。おそらく手本となるような方の接し方は、いかに相手の気持ちになって伝わるかを工夫されているでしょうし、場に応じてカジュアルにも、フォーマルにも対応した使い分けをされているでしょう。それもこれもお客様の望みを察知して、その場に応じてされていると思います。基本的にはまずは丁寧に、そしてフォーマルから始めてカジュアルにしてゆくというのがいいでしょう。

一般的には初対面であるわけですから、会話もしやすい〈yes、no〉で答えられるたわいのない話しかけから入るのがよいですし、その繰り返しによって場が和むといいでしょう。

 

【観光ガイドのテクニック】

では、具体的に観光ガイドの仕方について話しましょう。

まず、最初の声かけですが、なんといっても「笑顔」で接するということが大事です。楽しさを演出するために、場を和ますためにも、笑顔ほど大きな武器はありません。そして、先にも述べたように、〈yes、no〉で答えやすい会話から入ることも大切です。〈Is this your first visit to Osaka?〉といったジェネラルクエスションから入りたいものです。

そして、観光案内の行程を確認していきます。ルート、帰着時間や場所の確認など、お客様の頭の中でイメージできるようにしておきたいものです。また希望に応じて変更できる柔軟な対応も必要ですが、それができる時間や場所の余裕があるかどうかも確認できるとお客様は安心されます。同時に、例えば入場料が要るとか、移動のための交通費がどれだけかかるとか、飲食なども費用経費の金額だけではなく、誰が支払うのかなどの確認もしておかなければなりません。当たり前のようなことを最初に確認しておくことがボランティアとはいえ、ガイドの責任だといえます。

ガイドするにあたって、お客様がこれからどういう観光になるのかという全体像をつかんでもらうためにも、大まかな概略のあとに具体的な固有名詞などを語るようにしましょう。例えば、集合して話を始める時に鳥居の下に居るからといって、鳥居そのものの説明から入るのではなく、ここは○○神社です、神社とは、…といった流れの中に、目に見えている「鳥居」を話すことで神社全体のイメージから鳥居の位置付けがわかり、そこに居るということを分かってしてもらえるようにすると、理解度が高まり、居場所の実感がわくでしょう。

移動しながら話をすることが多いわけですから、お客様はあちこち見ながら歩いたり移動したりしているものです。ですから、別の話をしている時でも、突然目に見えてきたものに注意が注がれていると感じたら、その説明をすることがよいと思います。あるいは「次に見えてくるもの」という期待感をそそるような話の持って行き方も関心が高くなります。いずれもタイミングが重要です。早すぎると盛り上がらないし、後からだと見逃した感が残ります。

お客様の反応を事前に察知しておくことも重要です。「なぜ手を清めるの?」という疑問がわく瞬間にその意味合いを話す、湿度の高い日本では雑菌の排除の意味もあって物理的にも精神的にも“清める”ということが参拝には欠かせない要素であるという付け加えも納得してもらえる要素ではないでしょうか。いわば一般の観光ガイド本などには載っていないことを付け加えて、オリジナルなガイドの印象を与えることもお客様の満足度に繋がるものです。

 

【成功するガイディングのコツ】

海外のお客様をガイドするとき、やはり幾つかの成功のコツというものがあります。お客様が何を望んでいるかということを察知して、すばやく反応してあげるという基本にプラスする案内のコツです。

案内の内容に、イメージをより鮮明にするために、「数字を入れる」というポイントがあります。多い、少ないという主観的な説明では比較がないので伝わりにくいものです。例えば、「東大寺大仏殿の屋根は大きくて屋根瓦の数も膨大」と言ったら、それを補足する形で「東大寺大仏殿では109,400枚、姫路城天守閣では75,400枚、ちなみに一戸建ての家なら1000枚以下」といった比較ができるとより具体的なイメージができるでしょう。人口なども「大阪府の人口は、天王寺区の人口は、…」などと話すときに、イギリスの人口、ロンドンの人口などとお客様の国と比較すると、分りやすいことと同じです。そういうお客様の地域や文化と関連づけて話せば、日本という国との違いや共通性などと「異文化ソフトランディング」できるものと思います。

とはいえ、あまり細かいことにこだわることはお薦めできません。日本人なら分かる鎌倉時代、江戸時代、などの時代区分や建物の詳細な建設年などを入れすぎると、かえって混乱されてしまいます。知識の披露にならないように、ガイドの自己満足にならないよう、気を付けたいものです。相手の気持ちをおもいやり、会話のキャッチボールができるような内容へとシフトすることが肝要です。よく海外でも経験されている方もいらっしゃるかもしれませんが、「捕まると大変なボランティアガイド」にはならないでほしいものです。

海外の感覚とは違うかもしれない事柄に留意しつつ、しかし「五感なら分かり合える」ことも多い筈ですから、それらを駆使することも成功のポイントです。例えば、味覚、嗅覚。お香の匂いなどは実際に体験していただくともりあがります。食事での演出も、お皿の配置や見た目、サービングの順番などなど味だけではない日本文化を味わってもらえる機会ですから、「日本に来た」感が得られるものでしょう。漢字もその一つではないでしょうか。看板やお品書きなどからも日本を感じる人は多いようです。

こうした知識、またはエピソードトークは、自分だけのオリジナルなものをジェネラルなエピソードに加えて話せるように、事前に準備することは大事です。いわゆる「もちネタ」があると、その話のタイミングや場の雰囲気など自分なりのガイディングに引き込むことのできるものです。是非とも話を聞かせてあげたいという気持ちが相手には伝わるものですし、そうした積極性がお客様を快適にするものでもあるでしょう。また、事前に下見しておくことも話の手順や案内の時間配分なども見えてきますから、必須の準備作業だと思います。

ガイドはその地域の広報大使のようなものです。土地のことをよく知り、名物を語り、ときにはジョークを交えながら、硬軟使い分けて話すことによってよりお客様の心に届くと思います。それが「もう一度来たい」と思ってもらえることにつながるものです。そこには、やはりガイド自身が自分の感動を伝えたいと思っているかどうかにもかかっています。「私も初めて来たとき」などエピソードを交えると自身の感動が伝染して、お客様の感動を引き出すことにもなるというわけです。

 

【心掛けてほしいこと】

ボランティアガイドも通訳案内士と同じように、事前準備が必要です。基本的な知識は、まだよく暗記できていない時はメモを見ながらでも構いませんから、正確に、要領よく伝えてほしいものです。ガイドブックと同じ内容だとお客様は聞いてくださいません。自分なりのエピソードメモを作ることは効果的です。

日頃から練習できることはやっておくべきです。よくご提案しているのは、「1話題をおよそ2分以内でまとめて話せる」ようにすることです。わかりやすく人に説明する話の流れは簡単そうですが急にはできないものです。2分がどのくらいかも知っておくことも重要です。そして難しい単語は使わず、分りやすさに徹しましょう。それでもガイドの中に自分らしさ、自分にしかできない話、自分しか出せない情報をもっていることがポイントで、その蓄積を日頃から用意しておいてください。どんなことでも興味をもつ習慣をつけると、それをいつ?どこで?だれが?といった5W1Hで情報をまとめると、使いやすくなります。

さきほど「下見」の重要性を話しましたが、同様にその場所についての情報は、仲間の情報ネットワークを使って入手したり、ホテルのコンシェルジュに聞いたり、もちろんネット検索などで増えて話が広がります。こうした情報収集方法も自分なりに工夫してください。

それから「トラブル対応」についてですが、まず起きた場合にどんなときでも「びっくりしない」という心構えがあるといいです。お客様の病気、怪我は時々あることですが、ご本人はパニックになるケースが多いものですから、対応するガイドがまず落ち着き、何をすべきかを判断しなければなりません。その意味では事前に病院のリストアップなどをボランティアガイドの組織から受け取っておくなり、自己チェックするなりしておく必要があります。もちろんお客様に「病院に行くか否か」の希望等はお尋ねしなければなりません。病院などでの支払い、保険の有無も確認する必要があります。

「忘れもの」についてですが、誠意をもって対応するわけですが、金銭の立替などはしないことです。基本的には金銭的な関わりはないようにしましょう。

ガイド中のジェスチャーについては、日頃よりも手振り身振りもできるだけ大きくしていただいて良いでしょう。実際に練習して表現力を豊かに向上させておくと良いでしょう。

 

【ボランティアガイドの可能性】

ボランティアそのものは古代からあったものですが、近年特に注目されるようになりました。イベントでの人材の必要性や被災地などでの支援がよくメディアなどにも登場します。

海外からのお客様が急速に増えてきて、街にあふれる時代には、「語学力を活かして」ボランティアガイドをする方々は、現在光っている存在だと言えるでしょう。それだけに日本に来たお客様が「日本っていい国だな。また日本に行きたい、と思ってもらえるようなガイドは重要度を増しています。現在シニアの方のボランティアガイドが多いのですが、まだまだ需要は広がっていますから、若い方々にも積極的に加わってもらえると可能性は広がります。プロの通訳案内士でもボランティアガイドをする方がいらっしゃいます。ボランティアの世界は自分から参加していくことが必要ですから、どのような方にも門戸は開かれています。自分は何ができるのかをアピールして社会貢献していただけるなら、さらに大きなエネルギーとなって「日本をアピール」できるのではないでしょうか。ご自身の成長や充実感が伴い、その輪が広がることを願っています。

 

<ランデル洋子氏プロフィール>

株式会社ランデルズ代表取締役、NPO法人通訳ガイド&コミュニケーション・スキル研究会(GICSS)理事長、一般社団法人インバウンドガイド協会副会長。

名古屋市出身。南山大学英語学英文学科卒業。在学中、国際ロータリ財団奨学生としてノーザンイリノイ大学に留学。YMCA英語学校などの英会話講師を経て通訳ガイド、海外旅行添乗員・海外駐在員・ツアーオペレーター、一般通訳翻訳業務などフリーランスで幅広く活動。
1980年にバイリンガル人材の派遣会社を設立し、1992年まで代表取締役。外国企業数社の日本代表業務を兼務。一旦家庭に入って休業するが、その後、一般ビジネス通訳、通訳ガイドとしての現場業務をしながら現(株)ランデルズを立上げ、研修研究、執筆・講演活動、NPO法人主宰業務に携わる。日本を紹介する通訳ガイドの技術研鑽研究の基礎を築き、一方では国際プロトコルや、多様性対応コミュニケーション・スキルの研修など時代のニーズに応じた研修を提供し、大手企業の社員教育にも多く取り上げられた。

通訳ガイドとしてはインセンティブからVIPまで、自らも幅広い業務で活躍したが、新人通訳ガイドの養成にかけては日本の第一人者としての定評が高く、2000年には旧運輸省が全国で開催した「国際観光ワーキングセミナー」のメイン講師を務め、サミット会議他数々の国際会議や企業における国際化研修や講演を担当。2003年、異文化情報学博士号を取得。愛知万博では日本政府館のVIPエスコート国際接遇研修、アジア開発銀行年次総会の語学ボランティア研修などを手掛ける。特に国際観光インバウンドの通訳ガイド関連では、観光庁の通訳ガイドのあり方検討会他の委員を務め、美しい英語と卓越した指導力で、楽しくわかりやすい講演&研修講師として人気がある。

当本部観光ポータルサイトに「THE EXCITING KANSAI」特集を開設しました

関西観光本部では、訪日外国人旅行客の周遊促進のための宿泊滞在圏を形成する取組「プラスワントリップ・キャンペーン」事業を進めています。本事業の本格展開にあたり、このたび、対外的なブランドとして「THE EXCITING KANSAI」のブランド名称を設定、専用のロゴマークおよびビジュアルを策定しました。
またキャンペーンの第1弾として和歌山県、奈良県、三重県にまたがる「紀伊半島」エリアの魅力を紹介する特集を当本部のポータルサイト「The KANSAI Guide」に開設しました。実際に旅をしてもらった外国人のタイムラインコンテンツやコラム、関連動画を介して、世界遺産・巡礼の道である紀伊半島の上質な魅力を紹介して、宿泊や体験の予約までを可能とする構成となっています。
あわせて、「The KANSAI Guide」では、宿泊等の予約機能を搭載すべく世界最大手OTAと連携して宿泊予約までのワンストップサービスを提供するなどユーザビリティを向上させる機能を拡充しました。またサイトの重要指標であるUU数とPV数は、1月単月でそれぞれ16万UU、20万PVを突破しました。
現在、インバウンドを取り巻く環境は大変厳しいところですが、状況に応じて「紀伊半島」をプロモーションしていくほか、「THE EXCITING KANSAI」第2弾以降につなげるため、引き続き地域の皆様との議論を深めてまいります。

■The KANSAI Guide
■THE EXCITING KANSAI -Kii Peninsula

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